赤ちゃんの3、4ヶ月検診が終われば、いよいよ離乳食の準備が始まります。
1人目のお子さんで初めての離乳食であれば、離乳食について、いろいろな疑問や心配があると思います。
そんなママさんに向けて今回は離乳食を始める時期などについて書きました!
- 離乳食をはじめる時期
- 離乳食の始め方
- 離乳食で注意する点
少しでも参考になるところがあれば幸いです^^
いつから離乳食を始めればよいか
離乳食をスタートさせる時期は、首が座り、少し支えてあげればお座りができるくらい体がしっかりしたら始めるのが良いです。
その時期がだいたい5ヶ月というだけなので、必ずしも5ヶ月になったら始めなければいけないというわけではありません。
ですが、食物アレルギーを防ぐために生後5〜6ヶ月ごろを目安になるべく早い段階から離乳食をスタートさせるのを勧めます。(アメリカ小児学会は6ヶ月以降を勧めています。)
離乳食のはじめ方
家族にアレルギー体質の人がいるからといって卵などの食物制限をする必要はないので怖がらずに始めてみましょう。
食べ物により形状が違えど、はじめの一口は米粒1粒くらいの大きさから与えてあげてください。
また、1度に複数の食物をあげてしまうと、仮にアレルギー反応が出ても原因が分かりにくいです。
必ず1つずつ食物を与えるところから始めてみてください。
離乳食開始と合わせてお肌の管理も重要
アレルゲンははじめ、皮膚から侵入し、アレルギーの準備状態が成立することがあります。
この時期は積極的に適切な軟膏療法をしましょう。
防げることとしては、毎日の掃除もそうですが、赤ちゃんの近くで食べた大人の食べかすや、食べた手で赤ちゃんに触るのも気を付けてあげると良いです。
口から入る食物は免疫寛容といい、食物が入ってきてもアレルギーにならないようにする働きがありますが、皮膚から入ってくるアレルギーはしっかり防いであげましょう。
アレルギー予防のための離乳食のはじめ方
幼児期に必要なく特定の食物を完全に避け続けていると、かえって過敏になりひどいアレルギーになってしまう可能性があります。
慣らすための食事なので、少量で構いませんので、アレルゲンになりやすい食事はできるだけ遅らせるのではなく、むしろ早めにいろいろ食べている方が将来的にアレルギーが少ないことがわかっています。
ただし、すでにはっきりとした食物アレルギーになっている子については例外です。
きちんと食事制限をしてあげましょう。
いつ制限を解除するかは主治医と相談し、経過をみていく必要があります。
また、初めての食材を試す時は、念のためかかりつけの病院の診療時間の少し前にしておくと、何かあったときにもすぐに病院にいくことができます。
アレルギーが気になる主な食材
卵
しっかりと固茹でした卵黄からはじめ、次に固茹でした卵白の順に与えていきます。
他には、卵ボーロを1、2個から始めて徐々に増やす方法もあります。
赤ちゃんの時期に卵ボーロを7、8個食べられるようになれば卵アレルギーの心配はなくなります。
ミルク
ずっと粉ミルクを飲んでいる子ならミルクアレルギーはありません。
牛乳もヨーグルトも大丈夫です。
母乳で育ち、ミルクを飲んでいない赤ちゃんは、はじめは2mlの粉ミルクを飲ませるかスプーンでヨーグルトを与えてください。
小麦
柔らかく煮たうどんを食べさせてください。
はじめは1、2cmから与え、徐々に増やしましょう。その後、パンと粉ミルクで作ったパン粥を食べさせて見るのをお勧めします。
大豆
大豆のアレルギーはほとんどないと言われています。
お豆腐で大丈夫なのであげてみてください。
ピーナッツ
ピーナッツそのままでは与えないでください。
ピーナッツバターを少量舐めさせるところからスタートさせましょう。
パンが食べられるようになっていればパンにピーナッツバターを塗って食べさせてあげてください。
現代版離乳食の常識と非常識
果汁
離乳の準備として果汁を与える指導が『味に慣れる』と、ひと昔前に聞きました。
一見正当そうですが、早期に果汁を与えるのは、乳幼児のビタミンCが不足しがちだった大昔の名残りと言われています。
現代の人工乳にビタミンCは充分入っています。
甘味という点では、母乳に含まれる乳糖と同じ淡い甘みにするには、一般の果汁の6倍薄める必要があります。
フォローアップミルク
離乳が順調に進んでいれば、フォローアップミルクは必要ありません。
なんらかの理由で離乳が順調にいかない子の補助食品として開発された物であって、9ヶ月になったら普通のミルクからフォローアップミルクに変えなければいけないというのは特にありません。
今のフォローアップミルクの使い道は、離乳が完了した後(1〜3歳程度まで)の牛乳の代替え品程度がちょうど良いと思います。
牛乳
離乳の時期に必須というイメージがありますが、母乳に比べて蛋白が多く乳児の負担になると同時に離乳の遅れを招く可能性があり、近年牛乳は1歳前には与えないことになりました。
また、カルシウムが多すぎると、鉄の吸収を妨げてしまいます。
離乳期〜幼児期の鉄不足が3ヶ月以上続くと精神運動発達の遅れをきたす可能性もあります。
離乳食の調理にも、牛乳や乳製品をを用いるかわりに育児用ミルクを使用するといった工夫が必要になります。
『牛乳をたくさん飲む子は大きくなる』は、迷信なのかもしれません・・・。
人間が人間の乳(母乳)を止めてまで、牛の乳を飲むというのは違うのかもしれませんね。
味付け
乳幼児に食べていた物の味覚がその後の人生に影響することは今日でもよく知られている話です。
味なし → 塩味 → 醤油味 → 味噌味
の順番がお勧めです。
食文化は各国で異なりますが、日本では塩味と甘味を抑えた、関西風のあっさりした味付けを推奨しています。
旨味も必要ですが、だしの素を使うのではなく天然の旨味で充分です。
母乳にも唯一欠点がある!
赤ちゃんにとって母乳が最も好ましい理由として、精神発達面の利点、ママと子の愛着形成がよくなる、免疫力が高められ感染症になりにくい、将来的に肥満や糖尿病になりにくい、アレルギー性疾患が予防できるなどあげられます。
ママも乳腺炎になりにくかったり乳がんの可能性を下げたりと母乳育児は母子ともにメリットがあるので強く推奨されます。
しかし、栄養面で唯一欠点があります。母乳だけでは、ビタミンDと鉄分が足りていないことです。
鉄分が不足して起きる照欠乏症貧血は生後6〜10ヶ月のころに問題になりますが、ビタミンD不足は生後すぐから問題になります。
紫外線によって作られるビタミンDは若い女性が日光を避けるようになったために妊婦がビタミンD不足になっています。
お腹にいる赤ちゃんはママから栄養をもらいしかないのでママ以上にビタミンD不足になるということです。
ビタミンD不足によって何が問題になるのかというと
- 骨と歯が弱くなる
- 免疫力が弱くなり風邪やインフルエンザなど重症感染症にかかりやすくなる
- 将来的に糖尿病やがんになりやすくなる
というのが主にあげられます。
しかし、母乳には人工乳が逆立ちをしても勝てない利点が多くあります。
ビタミンD不足は母乳のごく小さな欠点に過ぎませんので、足りない分はサプリメント(人工乳)で補えば良いだけです。
終わりに
繰り返しますが、食物アレルギーは皮膚からアレルゲンが少量侵入することから始まります。
赤ちゃんは気づかないうちにホコリを握っていることがしばしばあります・・・。
ナッツやゴマを大人だけが食べて、赤ちゃんが床に散らかった食材をハイハイしながら皮膚に擦り付けているなんてことがあればいくら栄養バランスなど勉強していても逆効果になります。
アレルギーが気になるのは親としてとても共感できます。
しかしいろんな大人がいるように、赤ちゃんによっても成長スピードや個性も様々です。
だいたい5、6ヶ月になると手をだし物を取るようになると、大人の食べ物に興味を示し、手を出して食べようとします。
まさに、この時期が母乳、ミルク以外の固形物を食べ始める時期をいっていいでしょう。
何かのマニュアルに合わせて、欲しがる赤ちゃんに我慢させたり嫌がって受け付けないのに無理してすすめる必要もないのです。
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